官民共同でサステナブルなニュージーランドの放牧酪農のノウハウを共有
ニュージーランド乳業最大手フォンテラの日本法人であるフォンテラジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:斎藤 康博)は、ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト主催のオンラインセミナー「放牧酪農WEBセミナーVol.3」を2021年6月23日(水)11:00に開催致しますことをご案内いたします。
2月、4月の開催に続き3回目となる今回のセミナーでは、ニュージーランドのガビン シース博士にも参加いただき、放牧草の管理技術に焦点をあてたセミナーとなります。
ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクトは、ニュージーランド政府、ファームエイジ株式会社、フォンテラジャパン株式会社が主体となり、日本の酪農の収益性と持続可能性に貢献することを目標に、ニュージーランドの放牧酪農のノウハウを活かし北海道内での放牧酪農の可能性を調査するプロジェクトです。2014年に発足以来、毎年コンサルタントがニュージーランドから年に2回来日し、プロジェクトメンバーと共に北海道の提携酪農家を訪問して現状分析を行い、放牧酪農を実践する上でそれぞれの農場に見合ったアドバイスを提供する活動をしております。
例年のようにプロジェクトメンバーが実際に北海道の提携農場を訪問することは現在の状況では叶いませんが、オンラインセミナーになったことで、ニュージーランドの専門家にも参加いただくことが可能になり、より専門的な情報を参加者の皆さんと共有することが可能となりました。また、北海道の酪農家のみでなく、全国の酪農家/関係者に参加いただけるようになったことは、プロジェクトメンバーの励みにもなっています。
放牧草管理が酪農家の生産性と利益を高めるということは、ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクトの今までの活動でも顕著に現れています*1。セミナー参加者が持続可能な酪農を目指し、それぞれの農場に適した放牧草管理をするにあたり少しでもお役に立てるようなセミナーを目指しています。
【オンラインセミナー概要】
日時: 2021年6月23日(水)11:00 ~ 12:30
定員: 50名 *定員になり次第締め切らせていただきます。
参加対象者 : 新規就農希望者 畜産農家 JA関係者 自治体職員 他
参加費: 無料
主催: ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト
(ニュージーランド大使館 ファームエイジ株式会社 フォンテラジャパン株式会社)
協力: 北海道庁 ホクレン農業協同組合連合会
〈パネリスト〉
キース ベタリッジ(ニュージーランド)
ガビン シース博士(ニュージーランド)
高原 弘雄(高原牧場)
吉川 友二(ありがとう牧場)
司会進行 通訳 高田 健次(ファームエイジ)
〈プログラム〉
● ニュージーランド北海道酪農プロジェクトの取組説明
● 放牧草の有効活用方法とNZのビジネスモデルについて
● NZコンサルタント、北海道放牧酪農家の紹介とディスカッション(キース/ガビン/吉川/高原)
● まとめ
<参加申し込み方法>
下記リンクより申込用紙に必要事項をご記入の上、メールにてご提出ください。
https://farmage.sakura.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2021/05/660bb97382163641ae8f8ed3e9a74ca7.pdf
*本セミナーは、オンラインツール ZOOMを使用したオンラインセミナーになります。オンライン環境にあるPCやタブレット等をご用意いただく必要があります。
【ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクトとは】
日本の酪農の収益性と持続可能性に貢献することを目標に、ニュージーランドの放牧酪農のノウハウを活かし北海道内での放牧酪農の可能性を調査するプロジェクト。
2014年にスタートしたこのプロジェクトは、ニュージーランド政府、ファームエイジ株式会社、フォンテラジャパン株式会社の3者の共同プロジェクトで、北海道庁およびホクレン農業協同組合連合会の協力のもとで行われています。
【放牧酪農とは】
ニュージーランドではサステナブルな「放牧酪農」が主流です
― 土、草、牛の循環サイクル ―
酪農といえば、牛たちが緑の牧草地でのんびりと草を食む姿をイメージする方が多いかと思います。牛たちは牧草地を移動し草を食べ、糞尿は土の中の微生物や虫が分解し土に還っていきます。
そんな循環型の「放牧酪農」がニュージーランドのほとんどの農場で行われています。
冬の寒さや夏の暑さが厳しいところでは一年を通して放牧することは難しい場合もありますが、ニュージーランドは放牧酪農を行うことができる温暖な気候に恵まれた数少ない国の一つです。また、ニュージーランドの肥沃な大地や十分な日照時間、降水量のおかげで、他の国に比べて少ない肥料で良質な牧草を育てることができます。穀物飼料を輸入し酪農業を行う国に比べると少ないカーボンフットプリントでの酪農が可能です。
主要生乳生産国18か国を対象にした調査によると、ニュージーランドの酪農場での温室効果ガス(GHG)排出量が一番少ないという調査結果が出ています*2
ニュージーランドには気候や放牧主体の酪農システムといった自然の優位性がありますが、生産性と効率性を可能な限り高めることは、酪農家の懸命な努力によるところが大きいです。ニュージーランドの酪農家は、少ない資源からより多くのものを生産するために精度を高めた放牧酪農を行っており、その結果、過去25年ほどの間に農場における生物由来のGHG排出量を約20%削減しました*3。
※「グラスフェッド」の定義には国際的な統一規格はありません。このため、フォンテラは独自の基準「The Fonterra Grass and Pasture Fed Standard」を設け、グラスフェッドの水準を管理しています。この基準は第三者機関AsureQualityに承認を受けています。
AsureQualityはニュージーランド政府が保有する、独立の適合性評価機関です。
放牧酪農で育てられた牛からとれる生乳(グラスフェッドミルク)は、一般的に穀物飼料で生育した乳牛からとれる生乳に比べより多くの共役リノール酸(CLA)やβ-カロテン、ビタミンDが含まれていると言われています。フォンテラの契約酪農家が育てる乳牛は約97%*4の時間を牧草地で過ごし、ストレスフリーな環境で良質な牧草を食べて育ちます(季節的要因により補助的飼料を与える場合があります)。成長ホルモンの使用も一切ありません。
*1 ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト報告書(2018)
*4 搾乳時間及び搾乳場への移動時間を除いた時間を母数とし、そのうち牧草地で過ごす割合を指します。過去3シーズン(2016-19)の平均値です。