本記事はFonterra Co-operative Group Ltdが発表したMarket Announcementの日本語訳です。
フォンテラは、2025年8月22日付でグローバル コンシューマー事業および関連事業をラクタリス社に38億4500万NZDで売却することに合意したことを発表しました。
この売却は、通常の財務調整、並びにフォンテラ酪農家株主による承認、売却対象事業のフォンテラからの分離および一部規制当局による最終承認の取得を含む複数の条件が満たされることを前提としています。
売却には、フォンテラのグローバルコンシューマー事業(中国本土を除く)、コンシューマーブランド、オセアニアとスリランカにおけるフードサービスと原料の統合事業、および中東とアフリカのフードサービス事業が含まれます。
基本的な企業価値38億4,500万NZD*に加え、フォンテラのオーストラリア事業が保有するBegaライセンスが売却に含まれる場合、最大で3億7,500万NZD*の追加価値が見込まれます。これにより、取引の企業価値は最大で42億2,000万NZD*に達する可能性があります。
フォンテラは、売却完了後に1株あたり2.00NZD(総額約32億NZD)の非課税資本還元を目指しています。
売却契約の一環として、フォンテラは売却対象事業に対して引き続き生乳やその他製品を供給する予定であり、AnchorやMainlandなどの乳製品ブランドには今後もニュージーランドの酪農家が生産した生乳が使用されることになります。
フォンテラの会長であるPeter McBrideは、次のように述べています。
「過去15か月間にわたり、取締役会が事業売却の選択肢として、トレードセール(企業間売却)と新規株式公開(IPO)の条件および価値を徹底的に検討してきました。」
「複数の関心ある入札者による非常に競争の激しい売却プロセスを経て、フォンテラ取締役会は、ラクタリス社への売却が、長期的な視点も含めて、Co-op(協同組合)にとって最も価値の高い選択肢であると確信しています。」
「売却対象事業の高い評価額に加え、この売却によりフォンテラは資産を完全に手放すことができ、IPOと比較してより迅速に資本を協同組合のオーナーに還元することが可能になります。」
「このことに加え、フォンテラの長期戦略に対する強い信念があることから、取締役会はこの売却について、株主の皆様に全会一致で承認いただけるよう推奨いたします。」
フォンテラのCEOであるMiles Hurrell は、次のように述べています。
「今回の売却契約は協同組合(Co-op)にとって非常に良い成果と考えています。」
「ラクタリス社は世界最大の乳業企業であり、これらのブランドや事業を次の段階へと成長させるために必要な規模を備えています。フォンテラの酪農家は、ラクタリス社が当社にとって最も重要な原料顧客の一つとなることで、今後もその成功から恩恵を受けることができます。」
「同時に、これらの事業を売却することで、フォンテラはニュージーランドおよび酪農家株主に対してさらなる価値を提供できるようになります。これは、ニュージーランドを拠点に、世界100か国以上に革新的な製品を販売している、世界をリードする当社の原料事業およびフードサービス事業に集中することによって実現されます。」
ラクタリス社のCEOであるEmmanuel Besnier は、次のように述べています。
「今回の買収により、オセアニア、東南アジア、中東における当社の戦略を大きく強化することができます。フォンテラのコンシューマー事業の運営および市場をリードするブランドを、当社がすでに展開しているオーストラリアおよびアジアの事業基盤と統合することで、ラクタリスは主要市場における地位をさらに高めることが可能になります。」
「フォンテラの長期的な重要パートナーとなれることを大変嬉しく思っており、新たなブランドをラクタリスファミリーに迎えることを楽しみにしています。」
売却契約の条件
売却には、フォンテラが現在保有するニュージーランド法人「Mainland Group Holdings Limited」の株式の譲渡が含まれます。
フォンテラのオーストラリア事業が保有するBegaライセンスの売却への含有は、Bega Cheese Limitedとの係争が解決された後に確定されます。仮に何らかの理由でBegaライセンスが売却に含まれない場合、フォンテラはBegaからライセンスに対する公正価値の支払いを受けることを期待しており、その金額はその時点で決定される必要があります。
売却条件の一環として、フォンテラは売却対象事業に対して、生乳、乳原料および製品を長期供給契約に基づいて継続的に供給します。
この売却は、株主による承認に加え、以下の規制当局からの最終的な承認を条件としています:
2025年7月には、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)が、ラクタリス社によるオーストラリアでの買収提案に反対しない旨を発表しました。
また、売却はフォンテラからの事業分離および完了前に重大な変化が生じないことも条件となっています。
すべての条件が満たされた場合、売却取引は2026年の上半期に完了する見込みです。
株主投票と資本還元のプロセス
フォンテラは、売却対象事業の譲渡について、酪農家株主による普通決議の承認を得るため、2025年10月下旬から11月上旬にかけて特別株主総会を開催する予定です。
会議の招集通知は10月上旬に発行される予定で、売却がフォンテラの財務状況に与える影響や、提案されている資本還元に関する情報が含まれます。
資本還元の支払いは、売却完了後にニュージーランドで売却代金を受け取った後、別途株主投票によって承認される必要があります。資本還元の金額は、株主投票の前に確定される予定です。
今後の見通し
フォンテラの会長であるPeter McBrideは、次のように述べています。
「取締役会が事業売却を進める決定を下したのは、戦略的レビューの結果です。このレビューでは、当社が置かれている環境、強み、そして協同組合として酪農家にどのように価値を提供しているかを検討しました。」
「私たちが最も高い価値を生み出しているのは、原料事業とフードサービス事業であり、これらは酪農家への買い取り価格(Farmgate Milk Price)と配当を通じて、株主へのリターンの大半を生み出しています。」
フォンテラの CEOであるMiles Hurrellは、次のように述べています。
「2024年9月に戦略とともに発表した目標および方針設定、特に資本収益率(Return on Capital)平均10〜12%という目標は、今回の事業売却が進めば達成可能です。」
「フォンテラが以前発表した2025年度の1株当たり利益予想(65〜75セント)は変更なく、2026年度の利益予想は2025年9月の決算発表時に公表される予定です。」
「協同組合としては、2026年度の1株当たり利益は継続事業ベースで報告され、売却対象となるコンシューマー事業および関連事業の完了前の業績は除外される見込みです。」
特別株主総会が10月下旬から11月上旬に開催される予定であることから、フォンテラは年次株主総会を2025年11月から12月に延期しました。年次総会の日程は追って発表されます。
アドバイザー
フォンテラは事業売却について以下の機関から助言を受けました。
For further information contact:
Philippa Norman
Fonterra Communications
Phone: +64 21 507 072
【ラクタリス社について】
世界有数の乳製品企業であるラクタリスは、1933年に「地域社会と連携しながら、最高品質の乳製品を通じて、すべての人の成長を支え、責任ある未来を生み出すこと」という理念とともに、フランスのラバルで設立されました。現在は世界50カ国でビジネスを展開し、約270か所の工場において、チーズ、飲用乳、ヨーグルト、バター、クリーム、乳原料、栄養製品などを製造し、従業員は85,500名に上ります。
オーストラリアでは、2,500人の従業員と500以上の契約酪農家とともに、「プレジデント」、「ガルバーニ」、「ポールズ」、「オーク」、「アイスブレイク」、「ジャルナ」、「クラフト」などのブランドを展開しており、世界的にも広く知られるブランドを多数持つ多国籍企業です。
*本発表以降、フォンテラはBega Cheese Limitedとの紛争を解決し、事業売却による総収益は42億2,000万NZDとなりました。
Bega Cheese Limited との紛争解決に関する最新情報については、こちら(グローバルサイト)[NK1] をご覧ください。